販売終了となった「エクステンダーC2×」に代わる商品として、現行の天体望遠鏡に加えて従来のFC/FSシリーズやFCTシリーズの天体望遠鏡にも使用できるエクステンダーです。中心の収差が良好に補正されている光学系に取り付ければ天体望遠鏡本体の結像性能を損なうことなく、最良な状態を維持したままの拡大像をとらえることができます。拡大率の異なる「オルソエクステンダー4×」もぜひご検討ください。
オルソエクステンダー2×の主な特長
月の全体撮影、星雲・銀河撮影に最適なエクステンダー
F5よりも口径比の大きく収差の少ない天体望遠鏡に対応したエクステンダーです。月の全体像や遠方の星雲・球状星団・銀河といった小天体の撮影向けに設計されています。イメージサークルφ20〜30mmの範囲内では周辺まで良好な星像を実現することが可能になります。対応機種はこちらをご参照ください。
拡大率の求め方と接続例
オルソエクステンダー2×を使用した際の拡大率は、
拡大率 = 1.27 + 0.0126 × b
b[mm] = 40 (=バリ・チューブ(大)の光路長) +20 (=バリ・チューブ(小)の光路長) +A (=M42-31.7AD胴付からセンサー面またはアイピースの主点までの距離[mm])
となります。
本製品はバックフォーカスを自由に変えて望みの倍率を得られるというよりは、「取り付けるカメラやアイピースに応じてバックフォーカスを調整し、推奨拡大率の範囲に収まるように使うことで良い結果を得られる」という性質の製品です。推奨拡大率は1.9∼2.5倍ですので、上記の式を使って計算すると「(bの推奨値)=50∼98mm」となります。お手持ちのカメラのフランジバックに合わせてバリ・チューブを併用ください。バリ・チューブは光路長20mmのものと40mmのものが各1つ付属しています。
例1: M42ねじ込みで接続する場合
この例ではカメラのフランジバックを12.5mmとすると、M42-31.7ADの胴付(後端M42オスネジの根元)からセンサー面またはアイピースの主点までの距離はフランジバックと一致して12.5mmとなります。そのため、バリ・チューブ(大)、バリチューブ(小)を併用していただくことで、b=72.5mmとなり、推奨値の範囲に収まります。この時拡大率は、1.27+0.0126×(40+20+12.5)=2.18 倍となります。
一眼レフカメラで撮影する場合は、一般にTリング対物面からセンサーまでの距離は55mmであるため、「1. バリ・チューブを2つとも使わない」、または「2. バリチューブ(小)を併用」のいずれかでbの推奨値に収まります。この場合、1. ではb=55となって拡大率は1.96倍に、2. ではb=75となって拡大率は2.22倍となります。
例2: 31.7スリーブで接続する場合
この例ではカメラのフランジバックを12.5mmとすると、M42-31.7AD胴付からセンサー面またはアイピースの主点までの距離はフランジバックにM42-31.7AD のネジ部分(5mm)、カメラ本体のノーズピースの厚み(図では 1.5mm)を加えて、19mmとなります。そのため、バリ・チューブ(大)、バリチューブ(小)を併用していただくことで、b=79mmとなり、推奨値の範囲に収まります。この時拡大率は、1.27+0.0126×(40+20+5+1.5+12.5)=2.27 倍となります。
タカハシ オルソエクステンダー2×
商品名 オルソエクステンダー2× レンズ構成 1群2枚 推奨拡大率 1.9∼2.5倍 イメージサークル φ20∼30mm 推奨機種 F5よりも口径比の大きい光学系 対物側取り付け M43 P=0.75 接眼側取り付け M42 P=0.75/φ31.7mmスリーブ 最大径×全長(突起含まず) 46mm × 125mm 重量 240g 内容物 オルソエクステンダー2×本体、M42-31.7AD、バリ・チューブ(大)、バリ・チューブ(小)