開封!QHY268Mセット
QHYCCDより発売された最新カメラQHY268Mが入荷いたしましたので、パッケージ内容と製品の詳細をご紹介いたします。
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QHYCCD QHY268M モノクロCmosカメラ 275,000円(税別)
初期状態ではカメラ先端にM54メスアダプター(厚み4mm)がついています。これはメタルキャップを取り付けるためでもありますが、後述の光路長を調整するリングの先端に取り付けてM54接続できるためのアダプターです。ただし、なぜかメスネジの先に「ツバ」があり、タカハシのようにM54オスネジが4mm以上ある接続リングでは頭打ちしてしまいます。TOMITAではご希望の方にはツバ無しのM54メスアダプター(厚み3mm)をサービスでお付けいたしますのでお気軽にお申し付けください。こちらに取り替えればM54オスネジの高さが5mm程度あっても問題なく取り付けられます。(リングの内側にもスペースがあるため)
次にセンサー面を見ていきましょう。
先のM54メスアダプターを取り外した状態です。センサー外周に見える6箇所のネジ穴を使って接続リングアダプター類やCFW3に取り付けをします。さらにその外周には1本の引きネジと2本のオシネジがセットとなったスケアリング調整機構(3箇所)が見えますね。QHY268Mはこの調整機構はゼロアジャストされた状態で出荷されていますが、基本的に写真のプレート面とセンサー面のスケアリング状態は平行になっています。
またちょうどいいサイズのAPS-Cセンサーの周囲には結露防止ヒーターが内蔵されていますのでセンサー保護ガラスが結露する心配もありません。
フルサイズ16bit カメラで人気のQHY600とのセンサーサイズの比較図です。広範囲を撮影できるフルサイズも魅力的ですが、光学系も性能も選びます。望遠鏡の性能を発揮する良いところをうまく使えるAPS-Cサイズはユーザーがもっとも求めているサイズのセンサーではないでしょうか。
カメラの全長もQHY600PHと比べると24mm程コンパクトになりました。またカメラ先端の形状もQHY600にあるテーパーリングが廃止されました。これによりバックフォーカスが確保され、カメラレンズとの接続も可能になりました。ただしテーパーリング部でカメラの回転ができていたことが不可能になりましたので、光学系側やその他の工夫でカメラの回転機構を別途設ける必要もあります。(TOMITAではK-ASTECと共同開発の回転機構付き接続アダプターをご用意しています)
QHY268Mのバックフォーカスは先端の突起を除いて12.5mmです。先端の突起部は1.8mmほどありますが、この部分はCFW3フィルターホイールと接続することで吸収される厚みですので考慮しなくても良いです。他社製のフィルターホイールと接続する場合は気をつけましょう。
カメラの裏面です。電源INとUSB3.0のコネクタ、フィルターホイールと接続するためのコネクタだけのシンプルな構造です。QHYCCD製のフィルターホイールとは専用ケーブル1本で接続され、通信と電源供給も行われます。
次に付属品を確認していきましょう。
QHY268Mセットにはありがたいことに標準で光路長を調整するリングがいくつか付属しています。1mm厚 x1枚、3mm厚 x3枚、10mm厚 x1枚、M54mmメス x1枚、M48mmメス x1枚が付属します。取り付けネジも2種類のネジセットが付属してメーカーの親切な心使いが感じられますね。図解されたシステムチャートも付属しますが、この中を見るとバックフォーカスが55mmに設定されています。別途ASTROLABE M54オス-M54オスAD(光路長2mm)を使えば光路長57mmでちょうどタカハシなどのシステムとばっちり適合します!(タカハシのバックフォーカス56.2mm+フィルターでの光路延長1mm=57.2mmと近似)タカハシのシステムチャートでカメラマウントDX-WR以降と置き換わることになりますので、どの鏡筒でもお使いいただけますね。
前述のスケアリング調整機構のためのセットビスとLレンチも付属します。ただし、このプレートとセンサー面のスケアリングは初期状態で取れているので何時使うのか・・・と思っちゃいます(^^;)
標準で2インチスリーブも付属しますので、M54メスアダプターと併用すればシンプルに2インチ接眼部に接続して使うことも可能!
QHY268Mセットの全貌です。TOMITAだけのサービス品も含みます。 1. QHY268M本体 2. メタルキャップ 3. 接続リング各種 4. 2インチスリーブAD 5. スケアリング調整用セットビス&Lレンチ 6. シリカゲルチューブ(乾燥剤はTOMITAのみ特典) 7. USB3.0ケーブル 8. ロック付DCケーブル 9. 100V ACアダプター(3ピン→2ピンADはTOMITAのみ特典)
10. ドライバ&マニュアルCD
以上がQHY268Mセットの内容でしたが、次にフィルターホイールやオリジナルアクサリーを紹介していきましょう。
QHY268M向けのフィルターホイールとしてはCFW3Mをオススメいたします。CFW3Mには厚みの違いで2種類あり50mm枠無しフィルター専用のCFW3M-USと2インチ枠付/50mm枠無しフィルター兼用のCFW3M-SRがあります。
またLRGB+ナローバンドまで使いたい方には7枚用CFW3Lもございます。 ・QHYCCD QHYCFW3M-US(50mm円形専用) 40,000円(税別)
APS-CサイズのQHY268Mは36mmフィルターでもカバーしますが光学系によっては周辺減光やケラレが発生します。したがって2インチフィルターや50mm円形フィルターをお使いになることをおすすめいたします。
QHY268Mのファーストライトをお願いした宙のジグソーパズルさんでも詳しく説明いただいております。その他撮影ソフトのセッティングなど詳しく掲載していただいているので、ぜひご参考ください。 ・宙のジグソーパズル QHY268M テストリポート①~撮影準備編~
CFW3MとQHY268Mはこのようにピッタリと接続することが可能です。前述のスケアリング調整機構はこのように1箇所顔を出すだけ。使用上では現実的ではないようですね。
TOMITAではK-ASTECと共同開発でフィルターホイール前でスケアリング調整が可能なオリジナルアダプターを製作中です。(写真はQHY600用を取り付けた状態)
これにより撮影しながらのスケアリング調整も可能で、テーパーリングアダプター部での着脱とカメラの回転も可能になります。
TOMITAではフィルターホイールと同時購入の方にはM54接続面までの平行度(スケアリング調整)を行って出荷します。ご安心してすぐにお使いできるでしょう。
オリジナルスケアリング調整アダプターは別売りのビクセン規格やアルカスイス規格のアリガタプレートを装着可能です。保持機構の無いカメラレンズなどを使う場合には鏡筒バンド代わりになって便利です。
Asker ACL200と接続した一例。
撮影・試写しながらスケアリング調整ができるのはうれしいですね。
最後にユーザー様にテスト撮影していただいたお写真をご紹介。上弦の月がある条件の悪い中、美しいお写真を送っていただきました。
うみへび座のNGC3242 撮影:寺崎 正勝 様 <撮影機器> 望遠鏡:タカハシ TOA130NF + TOA35Reducer(x0.7) マウント:タカハシ EM400Temma2M カメラ: QHYCCD QHY268M(-20℃)
フィルター:バーダープラネタリウム社製
<撮影枚数・露出> Hα(7nm) :720sec x 7枚 OⅢ(8.5nm):720sec x 7枚 G :300sec x 4枚 合計88分
<画像処理>
RGB=Hα:OⅢ+G20%:OⅢ
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QHYCCD QHY268M モノクロCmosカメラ 275,000円(税別)
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