鏡筒メンテ 9月のまとめ
あ!という間に9月も終わってましたね💦
今月も様々な鏡筒のメンテナンス依頼をいただきましたので、
少しご紹介をさせていただきます。
一部の機材マニアの方に向けたニッチな連載です。
まずは、、
STF "Mirage 7"

ロシアIntes社から独立したSTFブランド。
もとよりペルセウスなどのマクストフ式には定評がありましたが、
この鏡筒にもこだわりがつまっていました。
特に特徴的、
ミラーシフトのほぼ皆無さはピントの前後移動でのストレスを感じさせません。
それを実現するプレート式ピント装置。

接眼部横のピントネジでの主鏡前後操作は他のカセ系と同じですが、
上手く中央を支持し摺動時の傾きを極力少なくする内部構造となっています。
鋭い星像ならなおさら微妙なピント調整が必須ですからね。
前後の際にイメージシフトせずにとどまってくれるのは非常にありがたい。
また、主鏡の光軸調整ができるプレート構造。
肉厚な地味にGoodでした!
次は大物。。
外装のブルーは"MEADE"を彷彿させますが中身は"セレストロン C14"

中古品として長らく展示されていましたがこの度おヨメに行くことに、、
嫁ぐ前に光学系メンテと、

ZWO社"EAF"取り付けのため接眼部を換装しました。

お客様宅に納品の様子。
ゆくゆくはリモート運用を検討されています。

次は、ペンタックス"75EDHF"。
最初期の"I型"タイプ。
Ⅱ型、Ⅲ型はフード名称の最後に"Ⅱ""Ⅲ"と記されますが、
Ⅰ型には何も記載がありません。
これは簡単な見分け方♪

ちなみに、マニアックな見分け方。
対物レンズをのぞき込んでください。
前群対物レンズが錫箔分離であること。

Ⅱ型以降はシムリング分離となり後継モデル"SDHF"まで継承されます。
錫箔を使用しているのは"EDHF"でも最初期モデルのみと認識しています。
シムリングのほうが錫箔による光条は抑えられるのでしょうが、
錫箔に会えないのはなんだか寂しい。。。
今回のメンテでは、
フード凹みの修復も行いました。

凹みが引っ掛かりフードを収納に支障がでていましたが、
上手く解消したようでよかったです。

次は、
往年のイエロー鏡筒"JSO NSC-12B"
口径127mmF/10の国産シュミカセ。(貴重ですね!)

長期保管により各所にカビや汚れが付着していました。

STFピント装置のような凝った造りではないが、
この主鏡サイズなら十分な造り。

光学系メンテナンス後。
星像テストでは中心像は極めてシャープでした。

復活しました☆
筒内は洗浄と迷光防止塗装を行いました。

メーカーも無くなってしまったが、
性能が高いものも多く、現在でも大切にされている方が多い。
当店でもコンスタントにメンテナンスのご依頼をいただきます。
最新の光学設計では感じない"味"がみえる個性豊かな往年の鏡筒。
是非、大切に長くご使用いただきたいと思います。
こんな感じで、、
天文ハウスTOMITAでは様々な望遠鏡メンテナンスを承っております。
詳しくは、新Webサイトメンテナンスページをご覧ください。
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