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執筆者の写真Orthoscopic13

鏡筒メンテ 10月のまとめ

今月も様々な鏡筒のメンテナンス依頼をいただきましたので、

少しですがその内容をご紹介をさせていただきます。

一部の機材マニアの方に向けたニッチな連載です。

ご興味のある方のみ(?)お読みいただければ幸いです。


 

まず最初は、

"MIZAR カイザー型"


一見すると望遠鏡ではなく、

「何かのバルブ?」と、見間違えそうですが、


正体は"ヘリコイドハンドル"


ハンドル内側にはかなり太めのヘリコイドネジ。

塗布されたグリスは劣化しかなり固まっていました。


劣化したグリスは基本的にすべて洗浄。

作業場には往年の望遠鏡に特有のグリス臭が漂います。


グリス交換を行いスムーズな動作を取り戻したヘリコイドハンドルは、

精密なピント調整と、長焦点屈折にはありがたい持ち手の役割も担います。


光学系は保管状況がよくほぼ無傷の状態でした。

分解洗浄後はアクロマート特有のニュートンリングを拝みます。


今回は鏡筒のみのお預かりでしたが、

長身の筒を漆黒の赤道儀と木製三脚に乗せた佇まいは、

部屋に飾っておくとサマになる望遠鏡ベスト3に入るかと。。。



 

お次は、

"タカハシTS-65 P型"


フローライト製品化前の3枚玉セミアポ。

口径65mmは色々ありますが最も短いタイプのもの。

"P"はポータブルの"P"


約40年の歳月により、

主に湿気などの水分により、

コーティングの劣化(くもり)がみられます。

(画像のレンズは中玉。"凹凸凹"の"凸")


洗浄を行いある程度の透明度が回復しました。

しかし隅の方には劣化箇所が白く点状に確認できます。

(現状よりの回復は見込めない為、ここまでとさせていただきました。)

今回は、状態がよく透明度が回復したケースでした、、、

FCシリーズ初期も含む当時のモノコートにはよくみられる症状です。


注)

メンテナンスを行えば必ずレンズのくもりが解消するわけではありません。

コーティング劣化症状は主に経年による劣化となります。

残念ですが現状のままとさせていただきます。

よくご質問をいただきますが、

再コーティングや研磨などは、像面の悪化や相玉とのバランスが崩れてしまいます。

外観からは透明度の高いレンズに回復したとしても、

光学性能は大きく低下してしまうため当店ではお受けしておりません。

ご不明な点はお問い合わせ下さいませ。



 

アイピースのメンテナンスもご紹介。

"Nikon O-7"


最近ではオルソ("O"とか"Or")表記は見かけなくなりましたね!

プロ―セル"PL"の中にオルソって分類されてるんですかね??

どちらも対象に配置されたレンズ群が特徴です。


取り出してみるとかなりカビが付着していました。


すっかり見かけなくなったオルソアイピースですが、

今でもツアイスサイズの"Or"は鏡筒のテスト時などに使用しています。


 

最後に、

「8月のまとめ記事」でご紹介していた、

往年のタカハシ"TS-130"


再メッキが仕上がりまして、見違えるほど復活しました☆


クラシックな長焦点ニュートンなので星像は文句なし!

眼視観望においてはバリバリの現役感を感じました!!


 

以上、

なんだか10月はレトロ鏡筒シリーズとなりましたが(^_^;)

新旧問わず(むしろレトロ鏡筒の方が燃えるw)対応させていただきます。



こんな感じで、、

天文ハウスTOMITAでは様々な望遠鏡メンテナンスを承っております。

詳しくは、新Webサイトメンテナンスページをご覧ください。

メンテについてのご質問やお見積り依頼などもお気軽にメールください♪


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