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執筆者の写真Orthoscopic13

接近中!期待高まるZTF彗星‼︎

更新日:2023年2月4日



※2023年2月3日追記あり。


見頃をむかえた"ZTF(ズィーティーエフ)彗星"が2月にかけて明るくなると予想されています。

「どの程度まで明るくなるのか?」いつもながら彗星の動向には期待が高まります。


先がけて福岡県内で彗星の捕獲(撮影)に挑戦してきましたのでご報告。

私が実践した撮影方法ですが「これから観測してみようかな」という方の参考になれば嬉しいです!


ZTF彗星撮影記録

徐々に明るくなってきているとはいえまだまだ暗い彗星の輝き。

月明かりの影響を受けにくい新月期が彗星観測に適した時期といわれてます。

2023年1月の新月は22日。その前後1週間程度が狙い目と考えました。

しかし冬型の気圧配置か?お正月以降は曇天続きの福岡地方。

そんな中【21日夜〜22日朝】にかけては九州ほぼ全域で晴れ間予想という朗報♪


当日は熊本天草"ミューイ天文台"へのメンテ出張に出向いておりましたが、

この日以降は最強寒波の到来が予想されており晴れ間の望み薄。。


ということを鑑み、

少々強行スケジュールではありましたが出張帰社後に撮影機材を準備し出動!


現着。夕食と仮眠をとり時刻は午前2時。

予報通りの快晴にひとまず安堵。


ロケーションは移動時間を考慮し車で1時間ほどの福岡県の東方に。

福岡県内ではそれなりに有名な観測スポット。

なのでこの日も当店常連のお客様が先着されてて「こんばんは〜〜☆」と暗がりでご挨拶を交わしました。


準備した機材はWilliamOptics"RedCat51(ver1)"。

赤くないのはスペースグレーという限定カラーのため。


架台はタカハシ"P2"赤道儀。

ガイドなしのお手軽撮影でも安定した追尾精度に期待。


今回は彗星を捕獲することが最重要ミッション。

機材準備の時間もあまりなかったためコンパクトにまとめました。



撮影カメラは筆者の愛機FUJI"X-T20"

4~5年使用していますが星撮りでも普段使いでもまだまだ現役。

RedCatとの組み合わせではAPS-C→フルサイズ換算約375mm

まあそれなりの大きさでは彗星を捉えられるかなという算段。


まだまだ目視では見つけづらい明るさのZTF彗星。

ファインダーや双眼鏡を使用しても彗星の見方に慣れていないと見つけることは困難かもしれません。


そんな時役立つのが彗星探索の必須アプリ"Vixen CometBook".

観測日時に空のどのあたりに彗星が居るのか教えてくれるのでかなり便利です!


"CometBook"を活用した彗星の探索方法を紹介。

撮影にでかけた2023年1月22日の場合。


まずは方角を確認。

ほぼ北東の方角。高度は30度くらい。


次に目印となる周辺の星座を確認。

ちょっとアプリ画像から切れていますが、

右方向"うしかい座アルクトゥールス"とほぼ同じ高度。

上方"北斗七星の一番下と二番目の星"の間くらいの方角。


これらが交わる空域を集中的に探索すると比較的スムーズに見つけることができます。


カメラがあれば上記で見込みをつけた空域を広角系のレンズで撮影してみるのも一つの手段。カメラのプレビュー拡大表示機能を使用します。


他の星々と違いボヤッと"緑"をまとっているのがZTF彗星の特徴。

プレビュー拡大表示探索法は目視が難しい彗星に有効な手法となります。

彗星観測初心者の方は是非活用してみてください。


無事に彗星の位置が分かったので天体望遠鏡での撮影に切り替えました。

望遠鏡では先ほどの広角撮影よりも画角がかなり狭くなります。

カメラのISO感度を高めに設定し狙い撃ち。最後は長年の勘。

画角の何処かにでも彗星が写り込めばラッキーです。


その後は本番撮影に各設定を切り替え。

結果画像は120秒x3枚をステライメージ9でメトカーフ合成。

ISO3200。フラット、ダークなし。ガイドなし。


お手軽撮影でもこれだけ写ると嬉しいものです♪

でもネットに上がってきてるZTF彗星の素晴らしい写真と比べると正直見劣りしますね!

(今回は捕獲することが目的だったからと自分に言い訳。。寒さと眠さに負けて撮影切り上げたとは言えない。。。)

次の機会があればもう少し彗星の"尾"を炙り出せるようになりたいものです。

レンズ口径を大きくするか、総露出時間を稼ぐか、手法は模索中。


以上、ZTF彗星の撮影記録でした!




まとめ

ZTF彗星はこのあと2月のはじめ頃まで観測チャンスが続きます。

予想よりも明るくなるか!?期待高まる!彗星の動向。


観測方法は"ホシゾラノサカイさん"の動画でも詳しく紹介されています。

必殺技をご参考に。


数万年という想像もつかない時間を経て地球に接近してきたZTF彗星。

今しか見ることができない貴重なチャンス。ぜひ彗星探索に挑戦してみてください♪


観測には天体望遠鏡や双眼鏡が必要です。

ご不明な点は当店までお問い合わせください。



最後までご覧いただきありがとうございます。


※2023年2月3日追記:最接近前に撮影に行きました。

1月31日2:20~2:50頃のZTF彗星。


撮影条件は、

地球に最も接近する2月2日前。

月灯りの影響を受けにくい月没後の時間帯。

晴れる日。

仕事の都合が良い日。


撮影機材は前回と同じ。

設定は30秒x67枚をステライメージ9でメトカーフ合成。

ISO5000。フラット、ダークなし。ガイドなし。トリミング。



ZTF彗星は5万年ぶり。

次、地球に近づく大彗星にも期待したいところです♪


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