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【メンテ】望遠鏡オーバーホール~タカハシFS-102屈折鏡筒~編。

執筆者の写真: Orthoscopic13Orthoscopic13


近ごろになってようやく、

鏡筒メンテナンスの進行状況に、

僅かではありますがゆとりを持てるようになりました。


以前の連載から少し間が空いてしまいましたが、

また当ブログにてメンテレポートを書いていこうと思います。

ご興味がある方はどうかお付き合いくださいm(_ _)m


当面は不定期更新となりますがよろしくお願いいたします。


タカハシ FS-102
 


"タカハシFSシリーズ"は1994年に登場。

FCシリーズ時代からの技術進歩により、

マルチコートを施せるようになったフローライトレンズを、

光学的に理想であるる前玉に配置した二枚玉アポクロマート鏡筒。

旧FCシリーズより球面収差で15%も低減されているそうです。


手ごろなサイズ感と高スペックな光学性能で、

生産終了から長く経過した現在でも多くのユーザーがいらっしゃるようです。


さて、

今回のご依頼鏡筒"FS-102"ですが、

しばらく使用されずに保管状態が続いていたそうです。


それではメンテナンス経過をご紹介します。

季節外れの粉雪のように、

レンズ全面に白くポツポツとカビの付着がみられます。


カビが目立つレンズばかりに注目しがちですが、

つい見落としてしまうのは鏡筒内部。


画像のように塗装面にもカビ症状が広がっている場合があります。


そして筒内と同様、

接眼部まわりや接眼アダプターの内面も要チェックです。

白っぽく写っているのは残念ながらすべてカビです。


夜露や汚れが付着しやすいフード内面。

そのままの状態で時間経過したためか!?

全体的に白っぽくみえます。


当初のご依頼は、

"レンズクリーニング"(光学系メンテナンス)のみというご希望でしたが、

実際に機材をお預かりし、

判明したこれらの症状をオーナー様にご説明。

レンズ以外の清掃やメンテも行う、

"鏡筒オーバーホール"に作業内容変更となりました。



筒内清掃後の状態です。

白く付着していたカビは払拭。

塗装の劣化が少しありますが、

迷光防止という点からは実用範囲内でしょう。


フード内面清掃後です。

白っぽく反射していた汚れがとれたことで、

こちらも迷光防止効果の回復が期待できそうです。


接眼アダプターなども、

鏡筒オーバーホールでは部品単位で分解洗浄を行います。


鏡筒オーバーホールでは外観清掃も行います。

白い塗装に付着した汚れなどは可能な範囲(塗装に影響がでない程度)で洗浄します。


接眼部まわりは部品単位で分解→


劣化グリス洗浄→グリスアップ→ピント動作調整の順に行います。


最後、、

気になる対物レンズは画像の仕上がり。

付着していたカビは払拭することができました。


細か〜く注目するとカビ付着跡に軽度のコーティング劣化がみられます。

でもこの程度なら実用には大きな影響は無いでしょう。


最後に星像テストを行いました。

焦点像、内外像に異常がないことを確認し、オーバーホール作業は完了です。


メンテナンスのお見積り
 

ご参考までに、

今回のオーバーホール作業のお見積りは以下の通りです。


タカハシFS-102(屈折式光学系フローライト2枚玉、口径102mm)

・鏡筒オーバーホール : 26,400円


※価格は2022年5月現在。税込。送料別。

メンテナンス基本価格は光学系、口径、メーカーにより設定しております。

納期は受け入れ時の状況により異なります。


メンテナンスのお問い合わせはコチラから
 

いかがでしたか?


天文ハウスTOMITAの鏡筒メンテナンスは、、


①レンズのみのメンテナンスなら"光学系メンテナンス"


②鏡筒全体のリフレッシュをご希望の場合は"鏡筒オーバーホール"


というふうに、ご希望のメンテ内容に応じたメンテナンスメニューを設定しています。


ご依頼やご質問は下記よりご相談くださいませ。



最後まで読んでいただきありがとうございます‼

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