【メンテ】望遠鏡オーバーホール~タカハシFS-102屈折鏡筒~編。
近ごろになってようやく、
鏡筒メンテナンスの進行状況に、
僅かではありますがゆとりを持てるようになりました。
以前の連載から少し間が空いてしまいましたが、
また当ブログにてメンテレポートを書いていこうと思います。
ご興味がある方はどうかお付き合いくださいm(_ _)m
当面は不定期更新となりますがよろしくお願いいたします。
タカハシ FS-102
"タカハシFSシリーズ"は1994年に登場。
FCシリーズ時代からの技術進歩により、
マルチコートを施せるようになったフローライトレンズを、
光学的に理想であるる前玉に配置した二枚玉アポクロマート鏡筒。
旧FCシリーズより球面収差で15%も低減されているそうです。
手ごろなサイズ感と高スペックな光学性能で、
生産終了から長く経過した現在でも多くのユーザーがいらっしゃるようです。
さて、
今回のご依頼鏡筒"FS-102"ですが、
しばらく使用されずに保管状態が続いていたそうです。
それではメンテナンス経過をご紹介します。
季節外れの粉雪のように、
レンズ全面に白くポツポツとカビの付着がみられます。
カビが目立つレンズばかりに注目しがちですが、
つい見落としてしまうのは鏡筒内部。
画像のように塗装面にもカビ症状が広がっている場合があります。
そして筒内と同様、
接眼部まわりや接眼アダプターの内面も要チェックです。
白っぽく写っているのは残念ながらすべてカビです。
夜露や汚れが付着しやすいフード内面。
そのままの状態で時間経過したためか!?
全体的に白っぽくみえます。
当初のご依頼は、
"レンズクリーニング"(光学系メンテナンス)のみというご希望でしたが、
実際に機材をお預かりし、
判明したこれらの症状をオーナー様にご説明。
レンズ以外の清掃やメンテも行う、
"鏡筒オーバーホール"に作業内容変更となりました。
筒内清掃後の状態です。
白く付着していたカビは払拭。
塗装の劣化が少しありますが、
迷光防止という点からは実用範囲内でしょう。
フード内面清掃後です。
白っぽく反射していた汚れがとれたことで、
こちらも迷光防止効果の回復が期待できそうです。
接眼アダプターなども、
鏡筒オーバーホールでは部品単位で分解洗浄を行います。
鏡筒オーバーホールでは外観清掃も行います。
白い塗装に付着した汚れなどは可能な範囲(塗装に影響がでない程度)で洗浄します。
接眼部まわりは部品単位で分解→
劣化グリス洗浄→グリスアップ→ピント動作調整の順に行います。
最後、、
気になる対物レンズは画像の仕上がり。
付着していたカビは払拭することができました。
細か〜く注目するとカビ付着跡に軽度のコーティング劣化がみられます。
でもこの程度なら実用には大きな影響は無いでしょう。
最後に星像テストを行いました。
焦点像、内外像に異常がないことを確認し、オーバーホール作業は完了です。
メンテナンスのお見積り
ご参考までに、
今回のオーバーホール作業のお見積りは以下の通りです。
タカハシFS-102(屈折式光学系フローライト2枚玉、口径102mm)
・鏡筒オーバーホール : 26,400円
※価格は2022年5月現在。税込。送料別。
メンテナンス基本価格は光学系、口径、メーカーにより設定しております。
納期は受け入れ時の状況により異なります。
メンテナンスのお問い合わせはコチラから
いかがでしたか?
天文ハウスTOMITAの鏡筒メンテナンスは、、
①レンズのみのメンテナンスなら"光学系メンテナンス"。
②鏡筒全体のリフレッシュをご希望の場合は"鏡筒オーバーホール"。
というふうに、ご希望のメンテ内容に応じたメンテナンスメニューを設定しています。
ご依頼やご質問は下記よりご相談くださいませ。
最後まで読んでいただきありがとうございます‼
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