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執筆者の写真Orthoscopic13

【賞月観星】広い!明るい‼"APO+12x56IF"登場‼

更新日:2023年10月24日



はじめに

賞月観星11月26日付のブログにて新製品"APO+12x56IF"のリリースが発表されました。

今回は事前の開発予告なく突然発表された"APO+12x56IF"。

"世界トップクラス"と自負されるその性能とは?

またAPOシリーズ初となる"+"に込められた意味とは?


実際に製品が入荷しましたので独自のレビューを行いたいと思います。



"APO+12x56IF"のスペック表(比較APO8x56)


APO+12x56

APO8x56

倍率

12倍

8倍

対物レンズ有効径

56mm

56mm

アイレリーフ

18.6mm

20mm

ひとみ径

4.66mm

7mm

実視界

7.5°

見かけ視界

72°

60°

至近距離

8m

8m

対物レンズ

EDレンズ/空気分離式

EDレンズ/空気分離式

コーティング

FMC

FMC

プリズム素材

Bak4

Bak4

眼幅

53~74mm

53~74mm

防水性能

あり(詳細不明)

あり(詳細不明)

サイズ(長さx幅x厚み)

220x210x80mm

220x210x80mm

重さ

1480g

1480g

窒素ガス充填

あり

あり

今夏にリリースされた"APO8x56"との比較。

参照:賞月観星HPより

"APO+12x56IF"の外観

"ダックグリーン"と呼ばれるいわゆるカーキ系の色。

一見軍用を思わせるような漢っぽい色味。



ラバー素材で覆われた外装は適度なグリップ感。

約1.5kgの重量ですがデザインされたラインが握りやすくサポートしてくれます。



右肩に製品名称とスペックのプリント。

"+"の印字は夜光塗料を塗り重ねているそうです。



眼幅目盛の基準にはイエロー塗装が施されており、

視認性と無骨な外観イメージにアクセントを添えています。



"APO+12x56IF"の特徴10選

①4群5枚の接眼レンズ構成

接眼レンズは4群5枚。

詳細設計は非公開ですが5枚とも高屈折レアアースガラスを使用しているそうです。

全面に反射を抑えるマルチコート。





②広く明るい視界

倍率x12とは思えない広い視界。

そして口径56mmによる明るさ

中心像のシャープさ。

周辺像はフラットナーレンズ無しのため少し収差を感じますが、

疲れは感じず違和感のない程度に抑えられていて好印象です。





③対物レンズはED(特殊低分散ガラス)

賞月観星製品ではほぼ標準仕様となりますが、

今回の"APO+12x56IF"でも同様に対物レンズはEDレンズを使用。

高倍率双眼鏡にみられがちな色収差の問題もクリア。





④対物レンズはAirSpaced(空気分離式)

高価な双眼鏡でも貼り合わせレンズが多い中、

2枚の対物レンズは空気分離式。

計算された収差補正とクリアな視界の秘訣。


さらに全面フルマルチコーティングにより、

高倍率ながらも色収差を抑えたコントラストの高い視界。





⑤プリズムBak4+迷光処理

プリズム素材は色収差の少ないガラス素材(Bak4)

筒内にはネジ切りが施してあり迷光対策も期待できそうです。





⑥IF(Individual Focus)式接眼部

左右接眼部を回転させ単独でピントを調整するIF方式。

CF方式に比べ多少の手間はかかりますが、

高倍率観測時に必要不可欠な両眼それぞれの細かなピント合わせが可能です。





⑦紛失防止対物キャップ&ストラップ

天体観測など夜間の使用で紛失しやすいのがレンズキャップ

キャップに付属するリングが鏡筒に巻かれているため無くすリスク減少。

離れない離さない状態。





接眼キャップは左右一体式。

キャップ左側のループに肩掛けストラップを完全に通すことができるため紛失リスク減少。

いつもそばに居るよ状態。


対接キャップともに着脱スムーズで適度な着け心地。

バッグの中などで擦れても外れにくい印象。





⑧三脚取り付け可

基軸先端に三脚取り付けネジ1/4ネジ装備

一般的なビノホルダーの取り付けに対応しています。

(取り付け不可のビノホルダーもございますのでご注意。)





⑨汎用バランスビノホルダーと相性抜群

別売り"賞月観星_汎用バランスビノホルダー"を使用すれば、

外側の大きなネジ(規格?)でがっちり固定。

このビノホルダーなら前後の重量バランスも調整できるので"APO+12x56IF"でも安心。


安定した観測にはやっぱり三脚使用がおすすめです。






⑩付属品一式

付属品は、

・双眼鏡本体

・ソフトケース

・ストラップ(双眼鏡用)

・ストラップ(ソフトケース用)

画像には映っていませんが、

・レンズクロス

・保証書

・外箱


賞月観星おなじみ安心の長期5年保証付きです。

購入後もし困ったことがあればご相談ください。





"APO+12x56IF"のちょっと惜しいところ

付属ストラップが惜しい

付属のストラップですがラバー面の滑り止めもついているちゃんとしたストラップです。

ですが少し細身のストラップは本体重量約1.5kgを考えると長時間の肩掛け首掛け少しつらいかもです。(元々首からぶらさげて持ち歩くような想定はないのかもしれませんが。。。)

そのような使用を検討されている方は一眼レフカメラ用など重量に耐えうるストラップを別に用意したほうがいいかもしれません。





ビノホルダー別売りが惜しい

手持ちでも割と使える"APO+12x56IF"ですが12倍となると三脚据え付けでの使用が想定されます。たしか以前の人気シリーズ"KING"には付属していたビノホルダーが別売りとなったことは少し残念です。三脚据え付け時にはお持ちのビノホルダーを使用されるか、新しく購入されるのであれば先にもご紹介した"汎用バランスビノホルダー"がおすすめです。





外箱が惜しい

少し前の製品から製品名のシールを貼り付けた簡易スタイルの外箱に変更されました。過去モデルでは印字された専用箱が用意されていたり、中にはイラストがデザインされたオシャレなものもありました。フラッグシップ機"APO+12x56"にはやはり専用箱が欲しかったと思います。





交換用見口ゴムの付属無しで惜しい

"APO8x56"には付属する交換用短い見口ゴム。"APO+10x56"には同梱されていませんでした。アイレリーフ18.6mmと長く確保されてはいますが、眼鏡使用の方は見口ゴムを画像のように折り返した方が見やすいかもしれません。





でも大事なのは性能

あえてちょっと残念なところをピックアップしましたがすべて双眼鏡本体の性能に関わる箇所ではございません。今回の"APO+12x56IF"双眼鏡本体も総合的に素晴らしい性能だと感じました。上記は高性能低価格を維持するためにやむなくコストカットされた部分なのかなとお察しいたします。物資不足、原材料高騰の状況下でも新しい魅力的な製品を意欲的にリリースされている賞月観星さんには頭が下がる思いです。これからも期待したいと思います。





"APO+12x56IF"のおすすめ使用シーンと個人的感想

倍率12倍。重量1480g。ですが重量のおかげか安定感があり手持ちでも割と使える印象です。男性の手の大きさであればラバー外装は握りやすく脇を締めて構えれば視界のブレはそれほど感じることはないでしょう。ですがこの双眼鏡の本領を観るならやはり三脚使用がおすすめです。観測対象は中心像のシャープさと高倍率性能から"月"の観測がおすすめかなと。まず"月"を観たくなるはずです。三脚に据えてじっくり腰も据えて。クレーターの陰影など双眼で観る天体観測の楽しみにはまることと思います。



語彙力のない個人的な感想を述べますと、第一印象は本ブログのタイトルにもあります通り「広い‼」と「明るい‼」。接眼レンズを覗くと同時にこの2つの言葉が視覚から脳内に飛び込んできます。12倍でこんなに広くて明るいのかと思わせてくれるのは口径56mm見かけ視界72°の恩恵なのでしょう。こだわりの設計であることが良く分かります。



次に視界の中をじっくり詳しく観ていきます。中心像のシャープさは細かな部分まで解像されていて問題は無いようです。賞月観星他モデルと比較してもトップクラスだと思います。倍率による色収差も注意深く観察しないと目立ちません。このあたり賞月観星さんが比較機としてあげられていた"ボシュロムELITE12x50"とどの程度の差があるのか興味深いところです。



実は今回"12x56"というスペックは初めての体験でした。12倍の立体視(遠近感)はクセになる感覚。次こっち、次こっちとエリアを変えて没頭してしまいました。視界周辺に至っても適度な収差補正がなされていてボケはあるものの意識しないと気にならないレベル。たとえ手持ちで振っても酔うような不快感は少なく長時間の観測も安心できそうです。



個人的感想のまとめとして、

一度覗くと今までの常識を覆す視界を体感。

そしてそれは他人にも共有したくなる体験です。

ぜひ双眼鏡ファンのすべての方にこの高倍率でしか味わえない視界を体験してもらいたいと思います。"APO+12x56IF"は唯一無二の特別な双眼鏡なのだと実感しました。





まとめ

ここまで、散文ではございますが賞月観星の新製品"APO+12x56IF"の紹介をしてきました。いかがでしたか?


元々、双眼鏡は低倍率派だった賞月観星さんがブログの最後にこう書かれています。

(外観デザインや造りの細かいところまでは別にして、)総合的な光学性能だけからすると、賞月観星APOプラス12x56IFは世の中の現役の12x56双眼鏡たちをすべて超越し、堂々と世界一の座を勝ち取る能力を備えていることを確信した。 引用:賞月観星ブログより

「世界一を確信した」という意気込みが製品名の"+"に込められており、

実機に触れることでその意気込みをリアルに体感することが出来ました。


2022年の暮れにまた新たな双眼鏡を。

賞月観星"APO+12x56IF"に注目です。



 




ぜひ皆さまにも"APO+12x56IF"を体験していただきたく店頭展示機を準備しております。

ご来店の際のテスト見はお気軽にスタッフまでお声かけ下さい。



最後までご覧いただきありがとうございます。



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