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執筆者の写真Orthoscopic13

【星空】福岡で撮る天の川。

更新日:2023年5月19日


夜空を彩る"天の川"。


観察する時間帯によってはほぼ1年中観測できる天の川ですが、

"夏の天の川"は特に"にぎやか"なので"天の川=夏"というイメージが強い方も多いと思います。


この"夏のにぎやかな天の川"

九州・福岡でもすでに4月くらいから観測することができます。


夏はキャンプや天体観測のアウトドアシーズンということもあり、

実際に「天の川をみたことがない」という福岡のお客様から天体観測の方法についてお問い合わせが増加します。


今回は当ショップが位置する"福岡県内に限定した天の川観測方法"を検証。

加えて"福岡県内でも撮れる天の川の簡単な撮影方法"をご紹介します。



夏本番を前に"にぎやかな天の川"を先撮りしませんか?



まず、天の川とは

"天の川"とは私たちが暮らす地球が属する"天の川銀河(銀河系)"の呼称。

地上からは夜空を横切る"帯状の星の集まり"として観測できます。


"銀河=銀の河=天の川"が語源とされる日本。

対して英語圏ではギリシャ神話に登場する"乳の流れ"から"MilkyWay"と呼ばれています。


天の川の光はとても淡い光

月灯りや外灯などの人口光が多い地域では観測することができません。


"天の川観測"は他の灯りの影響を受けにくい、

夜空が暗いスポットで行うことが必須条件となります。




福岡で観るリアルな天の川


早速ですが福岡県内で天の川観測ができるスポットに行ってきました。


山から昇る天の川。

方角は"南"。日時は5月1日午前3時ころ。

月が沈んだあと、日の出(薄明)までの1時間くらい。


"いて座""さそり座"がある天の川で最もにぎやかなエリアを撮影しています。



「ん!」

「星、見えてる!?」


と、思われたかもしれません。



黄色〇で囲んだあたり。

よく見ると雲のようなモヤモヤ。

これが"福岡で観る天の川"。


福岡県内の夜空が暗いエリアから"天の川"を人間の目で観測するとこのような見え方イメージ。




対して、SNSなどで見かける"派手派手な天の川"。


コレも決して"ウソの姿"というわけではないですがかなり加工や画像処理をされた姿です。

「肉眼でもこんな風に見えるんだ!」

と心躍らせていた方には少し残酷な真実。。。




再度、福岡県内で自分の目で観測できる"天の川"。

先述の通りリアルな"天の川"は淡くて繊細な光り。

夜空が暗いエリアからでも目視ではこのような見え方です。


予想よりも少し「映え」なくて残念な気持ちもあるかもですが、

福岡県内でもリアル"天の川"を観ることができるということが大事なポイント♪


さあ、夜空に浮かぶ光の帯を感じましょう!





そして次は撮影に挑戦!

光を蓄積することができるデジタルカメラで"天の川"はどのように写るのでしょうか?



福岡で撮る天の川

"天の川"の撮影方法は要所をおさえればそれほど難しいものではありません。

カメラは一般的なミラーレスカメラやデジタル一眼レフカメラでOK。

レンズは標準で付属するキットレンズでも撮影可能です。


長秒露出するのでブレないために三脚は必須アイテム。

できればレリーズと呼ばれる遠隔シャッターもあると良いですね。

(なければカメラ内のインターバル機能でも代用可。)


構図を決めたらマニュアルでピントを合わせて撮影。


撮影データ:24mm ISO800 f/2 ss20秒 固定 画像処理

リアルに福岡で撮った"天の川"

夜空が暗いところでは20~30秒ほどの三脚固定撮影でも十分に"天の川"を写すことが可能。


目視で観たときよりも"にぎやかな天の川"が分かります。



「でももう少し明るく写したい。」

「でもできるだけ星を点像で写したい。」

次のステップではポータブル赤道儀を使用した撮影方法をご紹介。



天の川
撮影データ:24mm ISO800 f/2 ss90秒 ポラリエU 星景写真モード 画像処理

カメラの設定で露出時間を少し長く。

先ほどよりも天の川のモヤモヤした部分が浮き上がりました。


目視では分かりづらかった周辺の星もより鮮明に。


ポタ赤が星を追尾(追いかけて)してくれるので長く撮影しても☆が"点"で写ります。



ポラリエU

使用した機材は"ビクセンポラリエU"

「星景写真モード」で撮影。


下部の景色(今回は山の稜線)と星空を一緒に撮影するときなどに適したモード。



最後はポラリエUを使った"天の川の星野写真"に挑戦。



天の川
撮影データ:53mm ISO1250 f/2.8 ss90秒 ポラリエU星追尾モード 画像処理

レンズの焦点距離を標準画角と呼ばれる50mm前後に交換。

天の川の中でもにぎやかなところをクローズアップすることができます。


福岡県内でもこれだけ写りました!




この時はポラリエUの設定を「星追尾モード」に変更。


極軸が上手く調整できていれば星を点像で写し留めててくれます。

(標準域の焦点距離での固定撮影では星が流れて(伸びて)しまうので追尾撮影がマスト。)


注)中望遠70mm~ではカウンターウェイトの使用もおすすめします。



慣れてくれば撮影写真の合成と処理にも挑戦してみてください。


同じ設定の写真を複数枚撮影し画像処理用のソフトで合成。

好みの仕上がりに色味を調整すれば完成です。


(ステライメージやフォトショップなど。最近はフリーソフトなどもあります。)



撮影データ:53mm ISO1250 f/2.8 ss90秒 ポラリエU星追尾モード 8枚を加算平均合成(総露出720秒) 画像処理

カメラで撮った"天の川画像"を合成し少~し調整するだけ。


赤っぽく光る星雲、暗黒帯と呼ばれる影の領域、などが強調されます。

より"天の川"を際立たせた表現ができますね。


好みの作品ができればあとはSNSへアップするだけ♪




目視では存在を確認できたもののはっきり観ることができなかった"天の川"。

カメラを使用することでその細部まで写し撮ることが可能に。


"天の川撮影"が福岡県内でもできることが分かりました。




福岡で天の川を観測できそうなところ

福岡県は九州地方最大の都市。

街の灯りが多く夜空も明るい。市街地では目視できる星の数も少ない印象です。

淡い天の川の光を観測するには"できるだけ暗いところ"が必須条件となります。


光害マップで事前におおよその暗さを確認することができます。

東京・大阪・愛知の大都市圏と比較すると福岡の白赤エリア(光害が多い)の面積は比較的少ない。

福岡県内でも少し郊外に移動すればチャンスはあります。


マップを拡大。

緑~水色エリアが光害の影響が少ないとされる地域。(=夜空が暗い地域)


緑色エリアで周辺に灯りが少ない場所では"夏の天の川"が目視可能という私の経験から観測エリアを算出。(残念ながら緑エリアでも夏より暗い"冬の天の川"の目視観測は難しい。)


結果、福岡県内に限定すると"〇"で囲んだ緑色エリアが該当。

大分と熊本との県境付近になりますがギリ福岡県。


具体的には"朝倉地域"と"八女地域"。




福岡で星見といえば八女市星野村にある"星の文化館"さん。


空の暗さはもちろん、九州最大級の望遠鏡と宿泊施設まで備えています。

福岡県内では天体観測の代名詞的施設。



「ちかっぱ星が見えるっちゃん!」




福岡で天の川が観られる時間帯

"天の川"は基本的に年中見ることができますが、

"にぎやかな天の川"が見える空は"いて座"付近の空域となります。


方角は"南方向"を目安にすると見つけやすいと思います。


【にぎやかな天の川を観測できる時間帯の目安】

5月:2時頃~

6月:23時頃~

7月:21時頃~


月灯りがあると星の光がかき消されてしまい、淡い天の川の光が良く見えません。


観測時には月の出入りの時間や月齢(月の大きさ)を調べましょう。

(月が邪魔者という意味ではなく天の川観測の時は月の影響を受けにくい日時が適しています。)


天体観測時の注意点


【天体観測時の注意点】

私有地など立ち入り禁止エリアには入らない

地元住民の方の迷惑にならない

川や崖など危ない場所には近寄らない

お子様は大人の方と一緒に。


などなど…。


当たり前のことですが、

これらを守って安全に楽しく天体観測(天の川観測)を行いましょう♪


まとめ

・福岡県内で天の川の目視観測は可能。

・カメラ撮影で天の川をもっと感じることができる。



もちろんもっと夜空が暗い所に行けばそれだけ天の川をハッキリ撮る(観る)ことができるのですが、今回は福岡県内に限定した"天の川を撮る(観る)"をご紹介しまた。


注)福岡で・・・としつこく記載しましたが観測方法や撮影方法は他の地域でも共通する内容です。




これから夏に向けてアウトドアや天体観測のシーズンがやってきます。

星空ファンの皆さんの参考になれば幸いです。



最後までご覧いただきありがとうございました!





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