【メンテ】望遠鏡オーバーホール-PENTAX 75SDHF 75周年記念モデル-

皆既月食に沸いた2022年11月。
報道なども手伝ってか●●年ぶりの天体ショーに多くの方の注目が集まりました。
当店でも月食の前後に望遠鏡をもとめてこられるお客様が増加。
ついに来た「天文ブームの再来か?」と少し期待。。。
クリスマス年末に向け、この盛り上がりが続くと良いのですが。
さて、
鏡筒メンテナンスでは少し珍しい(レアな?)機材のご依頼をいただきました。
その様子をご紹介します。
PENTAX 75SDHF 75周年記念モデル

ペンタックス製望遠鏡の中でもロングセラーモデル"ペンタックス75SDHF"。
この鏡筒をご存知の方は外装のカラーが異なっている点にお気づきのはず。

そして、接眼部サイドには"75yearsSpecialVersion"のステッカー。
こちらはペンタックス前身である旭光学創業75周年の記念モデル。
名前に"75"が入るSDHFが記念モデルに選ばれたのではないかと推測します。
他に記念モデルとして当時のフイルムカメラなども発売されてたようです。
他の天体望遠鏡でも限定モデルが用意されていたのか?
1994年当時の資料がなく私も小学生でした。
もしお詳しい方がいらっしゃれば情報をお伺いしたいところ。
なぜかこの類の"限定品"に惹かれてしまう方は少なくないはず。。。

ちなみに通常モデルはお馴染みのこちらのカラー。
フード赤色の意匠ラインは前モデル"EDHF"ではテープでした。
"SDHF"では金属リングにリニューアルされ高級感がアップしています。
発売終了から数十年経過しておりますが、
取り回しの良いサイズと光学系で今でもご愛用の方が多い人気鏡筒です。
(特徴ともいえる引き出し式フードがCute。)
メンテナンスの様子

今回、福岡県内とある学校からメンテナンスの依頼を受けました。
2台とも同記念モデルです。
どこかウ〇トラマンのテイストを感じてしまう見た目ですが、
カラーリング以外では光学設計など中身は通常モデルと同じようです。
(違っていたらごめんなさい!!)

今回の主なご依頼内容は対物レンズのカビ。

もう一方はセルを取り外した状態。
2台とも似たようなカビの付着傾向でした。

対物レンズ分解してみます。
第一レンズ(SDガラス凸)。

第二レンズ(凹)。
※画像なし
第三レンズ(後群に配置されたフラットナー的役割の凹メニスカス)も同様の症状でした。

各レンズ面を分解清掃しました。
清掃後の状況。

カビ付着跡には、
多少コーティングの劣化が白く残りましたが実用には影響のない程度だと考えます。
概ねキレイなレンズに復活し良かったです。
カビは記念モデルといえど防ぎようのない症状。。
保管状況にはくれぐれもご注意ください。
メンテナンスのお見積り

鏡筒オーバーホールでは、
"光学系分解清掃"のほかに、
"接眼部グリス洗浄、グリスアップ""筒内外の清掃""光軸調整""星像テスト"
などを行います。
ご参考までに、
今回のメンテナンスお見積りは以下の通りです。
ペンタックス 75SDHF (屈折式SDアポ光学系 3枚構成 口径75mm)
・鏡筒オーバーホール : 28,600円
※価格は2022年11月現在。税込。送料別。
メンテナンス基本価格は、光学系、口径、メーカーなどを基に設定しております。
納期は受け入れ時の状況により異なります。
その他メンテナンス

ご要望に応じてその他メンテナンスも承ります。

こちらは、接眼レンズ(アイピース)の分解清掃。
24.5~50.8まで各サイズ対応します。

三脚固定ネジのツマミが割れていたので、
金属製の蝶ネジと交換依頼を受けました。

観測現場で工具レス設置ができるのって重要ですよね。

三角板取り付けネジも同じく金属製のツマミネジに変えています。
観測アクセサリーのメンテや、
このような細かなご要望にもできるだけお応えいたします。
メンテナンスご依頼時に一緒にご相談ください。
メンテナンスのお問い合わせはHPから

天文ハウスTOMITAの鏡筒メンテナンスは、、
①レンズのみのメンテナンスなら"光学系メンテナンス"。
②鏡筒全体のリフレッシュをご希望の場合は"鏡筒オーバーホール"。
というふうに、
ご希望のメンテ内容に応じたメンテナンスメニューを設定しています。
また、
接眼レンズなど"観測アクセサリーのみのメンテナンス"も承っております。
ご依頼やご質問は下記よりご相談くださいませ。
最後まで読んでいただきありがとうございます‼
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