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執筆者の写真Orthoscopic13

【サイトロンジャパン】星景写真の新スタンダード?光害カット+ソフト効果=スターエンハンサー★


スターエンハンサー_トップ

先月サイトロンジャパンよりリリースされた新フィルター。

「スターエンハンサー」が好評です。


"ソフトフィルター"と"光害カットフィルター"。


星景・星野写真の分野では使用頻度の高い両フィルター。

その効果を併せ持つ1枚のフィルター。


むむむ。。気になります。


先日、梅雨のわずかな晴れ間がありましたので従来のフィルタワークとの比較も検証してきました。


新フィルター"スターエンハンサー"は星景・星野写真の新スタンダードになるのか?

ご紹介いたします。



まずは"光害"とは?

「光害=ひかりがい」と読みます。

夜間、外灯や照明装置などの光が夜空を照らすことで、見えるはずの星が見えにくくなってしまう現象です。


"光害"により夜空が白けてしまうため天体写真を撮影する上で最も頭を悩ませる問題の1つ。

特に淡い星雲、星団、銀河の撮影には対策が必要とされています。


※福岡県の光害については過去の記事でも少し触れました。













日本国内で"光害"がない(または少ない)地域は離島や山間部の極一部。

すなわち私たちが生活する圏内はほぼ光害の影響を受けているといえます。


必要以上の灯りや照明が問題となることもあり環境省が光害対策について取り組みを進めています。




"光害"を軽減させるフィルター
エンハンサー_スターリーナイト_比較

"光害カットフィルター"とはその名の通り、

星の光はそのままに光害(LED、水銀灯、ナトリウム灯)に該当する波長を選択的にカットするフィルター。


メーカーにより様々な呼称と特徴があります。


天文業界では概ねKenko"STARRY NIGHT"が定評あり。

すでに使用されている方も多いと思います。



スタースケープ

他、国内メーカーではmarumi"Starscape"が両雄に並びます。

見た目のフィルター色はこちらの方が"スターエンハンサー"に近いようです。

すでに手放してしまいましたが以前所有してた"スタースケープ"。何気に防汚コートが嬉しい。



最近の"光害カットフィルター"広角レンズ周辺のケラレを抑えるためほとんどすべて薄型フィルター枠。

均一なフィルターガラス染色による色ムラが生じにくい仕様。


もはやスタンダードな仕様になりつつあり"スターエンハンサー"も同様です。



新フィルター「スターエンハンサー」の利点

スターエンハンサー_比較

"光害"が気になる撮影地でソフト効果を出したい時には"光害カットフィルター"と"ソフトフィルター"の2枚重ねが常識でした。



スターエンハンサー_比較

ただやはり2枚重ねると、

・解像度の低下。

・嵩張る。

・ケラレが生じる。などの問題あり。


そもそも暗いところで2枚ねじ込む作業は避けたいところ。。。



フィルター_装着

従来、、、



スターエンハンサー_装着

"スターエンハンサー"のみ。

ああスッキリ。



カメラ_レンズ_フィルター

フィルター面はソフトフィルター独特の風合い。

霧を吹きつけたような模様が確認できます。



カメラ_レンズ_フィルター

波長特性は公開されていませんが、この青紫っぽい色味が光害をカットする特徴です。



1枚で2枚の役割を担うフィルター。

スター(星)をソフト効果で滲ませ、光害を抑えてエンハンス(強調)する。

それが"スターエンハンサー"の性能ということが分かりました。



「スターエンハンサー」実写の結果
星空_撮影
【スターエンハンサー】24mm相当 F:2.8 SS:30秒x4枚 WB:K4000 加算平均のみ

"スターエンハンサー"フィルターを装着した状態で撮影しています。


ソフト効果により星が適度に強調されてます。

夏の代表格"さそり座""いて座"などが分かりやすくなってます。

光害カット効果により天の川付近はコントラスト落とすことなく撮れました。


この写真をベースに"スターエンハンサー"の有無を比較。

仕上がりの印象はどれくらい異なるのか??

検証していくことにします。


なお今回はフィルター効果検証のため、

作例はすべて加算平均合成のみ行い画像処理は行わず。

JPG撮って出し画像となります。

撮影データはWB(ホワイトバランス)も含めすべて同じ条件としています。



星空_撮影
【ノーフィルター】24mm相当 F:2.8 SS:30秒x4枚 WB:K4000 加算平均のみ

比較としてまずは"ノーフィルター"。

(フィルターないときぃ~⤵)


山の稜線付近の黄色っぽい空の色。

写真で撮ると光害はこんな感じで写ります。


"スターエンハンサー有り"と比較すると効果は一目瞭然。

全体に黄色っぽく白けた印象となり濁ったような夜空の色を感じてしまいます。


ソフト効果も無いため明るい星は目立ちにくくなっていますが、

星の数は"スターエンハンサー有り"よりも多く写っています。


余談ですが「夏はソフトフィルターなしで!」と昔教わったことを思い出しました。




星空_撮影
【プロソフトンクリア】24mm相当 F:2.8 SS:30秒x4枚 WB:K4000 加算平均のみ

"ソフトフィルターのみ"取り付けてみました。


使用したフィルターは"Kenkoプロソフトンクリア(w)"

星々が程よく強調され、さそり座などの星座がたどりやすくなります。


"プロソフトンクリア"のソフト効果は控えめで自然に近い印象。

"スターエンハンサー"ともほぼ同等のソフト効果といわれています。


"ソフトフィルターのみ"では光害の状況について差はほとんど感じられません。




星空_撮影
【プロソフトンクリア+スターリーナイト】24mm相当 F:2.8 SS:30秒x4枚 WB:K4000 加算平均のみ

"ソフトフィルター+光害カットフィルター"です。


ソフトフィルターは"プロソフトンクリア(w)"。

同じくKenkoの光害カットフィルター"スターリーナイト"を2枚重ね。


気になっていた稜線付近の光害が抑えられ締まった印象のになりました。

ソフト効果により星座も程よく強調されています。




プロソフトンクリア+スターリーナイト:スターエンハンサー


並べて比較しますと星の滲み効果、光害カット効果はほぼ同等。

"スターリーナイト"は自然の空に近い色味。

"スターエンハンサー"の方が少し全体に青み補正された印象です。

(個人的見解ですが男性好みは前者。女性ウケするのは後者の方かと。。)




その他、"スターエンハンサー"を使用した作例です。


夏の大三角

夏の大三角。


北斗七星

逆さ北斗。


地上(下部)の灯りが上手く抑えられているのは"スターエンハンサー"の恩恵。


前提として撮影時のWBや撮影後の画像処理により好みの仕上がりに調整することは可能です。

処理の手間を省略するために好みのフィルターを選択されても良いかもしれませんね。




スターエンハンサーの注意点

・天体望遠鏡には使用しません。

基本的にはカメラレンズに使用します。

星景写真、星野写真の用途です。


・少し暗くなります。

スターエンハンサーの仕様は公開されていませんが、

フィルター装着によりおおおよそ1/3段分の絞りに相当する減光があると思われます。


・光害カット効果いらない時もある

光害が少ない地域で撮影する際には光害カットフィルターは不要です。

当然ですね。


・ソフト効果いらない時もある

なんでもかんでも星を滲ませればOKというわけではありません。

地上風景も多少ボケてしまいます。

作品のイメージに合わせてソフト効果を使い分けましょう。




ラインナップ

種類(性能)は1種類でサイズ違いになります。

ほとんどのフィルターサイズを揃えております。

ご使用レンズに合わせてお選びください。



まとめ

いかがでしたか?


"光害カット+ソフト効果"の解は、

2種類の効果を合わせ持つ"スターエンハンサー"でした。


1枚2役で新スタンダードにも成りうる利便性の高さ。

まだ"ソフト"も"光害"もお持ちでない星景初心者の方にはかなりおすすめのフィルター。


自身の作風に合わせ"スターエンハンサー"を活用することで光害地での撮影の幅は確実に広がりそうです。


サイトロンジャパン=スターエンハンサー (リンク先:天文ハウスTOMITA)

※人気商品のため在庫切れの場合はご容赦ください。



最後までご覧いただきありがとうございます。



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