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【商品紹介】WilliamOptics"Pleiades68"国内最速レビュー★

執筆者の写真: Orthoscopic13Orthoscopic13

更新日:2024年5月12日




2023年末に"WilliamOptics"よりリリースされた"Pleiades68"。

7枚玉F/3.8アストログラフというスペックが注目されています。


先日、実写する機会がありましたので簡単なレビューをご紹介。

鏡筒の詳細と合わせてご覧ください。



スペック表

レンズ構成

7枚構成(スーパーED3枚含む)

焦点距離

260mm

口径

68mm

口径比

F/3.8

イメージサークル

48mmフルフレーム

フラットナー

不要

アダプター

M48オスおよびM54オス

フォーカス

WIFD(EAF取付可)

フォーカスストローク

0~50mm

レンズ材質

FPL-53

対応カメラ

フルフレーム、一眼レフ、ミラーレス、CCD/CMOS

対応マウント

キャノンEF/RF、ニコンF/Z、ペンタックスK、ソニーE、フジXF、マイクロフォーサーズ

鏡筒長(フード延長時)

346mm(410mm)

重量

3.8kg(バンド、プレート含む)



各部の紹介

外観は宇宙の背景色"黒"が基調。

差し色の"ブルー"をキャップ、リング、バンドに配置。


プレアデス星団を彷彿とさせる上質なカラーリング。

すでにお気づきかと思いますが製品名"プレアデス"の由来は7枚レンズ構成からと聞いています。




レンズ口径68mm、焦点距離260mm。

F/3.8という超明るいアストログラフ。

フードは伸縮式で収納時はコンパクトに収まります。





後端からみえるレンズ後郡はフラットナー的な役割をになう補正レンズ系。

後群レンズはフォーカシング時も前後移動しないためバックフォーカスも固定となります。




フォーカサーはWIFD(WO Internal Focus Design)

ドローチューブ形式のような伸縮はなくカメラ接続による"たわみ"を軽減したインナーフォーカスデザイン。

鏡筒全長の変化もなくスマートなピント調整が可能です。(1/10減速微動つき)

電動フォーカサー"EAF"にも対応しています。



対物キャップはWOではおなじみの"クリアバーティノフマスクキャップ"。

先端のネジキャップをはずすとバーティノフマスクが現れます。

ピント調整のサポートに役立ちます。



ピントが決まればそのままキャップを取り外し撮影に移行。

フードとフォーカス機構は完全に分離されているため、

初代RedCatでみられたキャップ着脱時のピントズレも解消されています。




アリガタプレートはビクセン、アルカスイスの両規格に対応。

裏表逆転させることでマウントとの接続規格を変更できます。




普段はハンドルとしても使用できる上部の溝はビクセンファインダー互換。

ファインダーやガイド鏡などの取り付けが可能。(固定用ローレットネジが付属)


ハンドルを持った感触は7枚レンズ構成のためコンパクトながら重量感を感じます。




専用デザインの"キャリーケース"が付属します。

少し大きいですが緩衝材入りで大切な機材を守ってくれる安心感があります。


WOデザインはプレアデス星団と宇宙人( グレイ)が刺繍されています。




各部紹介 ※20240512追記

鏡筒バンドの切り欠きが"ねこみみ"になっていました。

細かなところに遊び心のある鏡筒(=^・^=)





撮影機材との接続

一眼レフやミラーレスカメラとの接続。

基本的に付属のM48規格アダプターを使用します。

接眼体は回転装置付き。



別売りのWilliamOptics"Newカメラマウント48mm"を使用すれば問題なく接続可能です。



主要カメラメーカーのマウントアダプターが各種用意されています。




CMOSカメラとの接続には"M48orM54"で適合する方をご使用ください。

別途、接続アダプターが必要な場合がございます。ご不明な場合はご相談ください。




"バックフォーカス(メタルバック)"は55mmが最適値。

カメラマウント48mm接続であればこの位置にセンサー面がくるように計算されています。



リングは"M48オス"と"M54オス"がひとつずつ付属します。

用途に合わせてどちらか一方のアダプターリングを取り付けてください。

(鏡筒エンドはM60メス)



スケアリング調整機構は標準装備。

画角四隅をライブビューで拡大比較。

モニターを見ながら調整すると効率的です。



他鏡筒との外観比較


"RedCat51(Ver2)"との比較。

焦点距離は250mmで近いところ。

口径、明るさ、レンズ構成など上位互換にあたります。



"FSQ85ED"との比較。

実売価格帯が近い両モデル。

Pleiades68はバンド、プレート、フラットナーレンズなどがオールインクルーシブなのでお買い得。



ちょっとだけ残念なところ…


ここまで"Pleiades68"の各部をご紹介しました。

基本装備が充実していてすぐにでも撮影に使用できる鏡筒であることが分かります。


ただ実際に触れてみて「おやっ?」と思うところもありましたのでご案内します。


①フィルター取り付け用ネジが用意されていない。

最近では当たり前となったフィルターを使用した撮影。光害の多い地域ではフィルターワークが重要視されています。本鏡筒"Pleiades68"にはM48フィルター取り付けネジが用意されていません。最後端レンズと撮像面までの間隔が確保できず省略したという憶測ですが真意は確認さとれいていません。フィルターを使用の際にはM48またはM54規格のフィルターホイールまたはフィルタードロワーを使用する。もしくはカメラ側に取り付ける。などの対策が必要です。


②スケアリング調整ネジが+ネジ。

特に撮像センサーサイズが大きくなると四隅の収差が気になります。かなり収差を抑えた光学デザインですがやはり隅までこだわりたいところ。そんな時役立つのがスケアリング調整機構。押し引きネジが4方向に配置されており画角四隅の方向に対応させながら容易にスケアリング調整が行えます。ただこの押し引きネジ(3本1組の中央ネジ)が+ネジのためカメラボディの位置関係ではドライバーを直行させることが難しいケースが想定されます。横から回せるL型レンチであれば問題ないのですが一般的なプラスドライバーでは少し困ることがあるかもしれません。調べたところネジ径は2.5mmで一般的なネジが互換します。ユーザー様で必要に応じL型六角レンチが使用できる六角頭ネジなどに交換してもいいかもしれません。


③ピントハンドルが干渉する場合があります。

鏡筒中央付近に配置されたWIFDフォーカーサ―。メリットは先述のとおりです。鏡筒中央にピントハンドルが位置するため赤道儀との干渉リスクが少し高まります。現に筆者もアリミゾ固定ノブがピントハンドルに干渉したので少し固定位置をスライドさせました。大きなバランス崩れにはなりませんでしたが従来の鏡筒とは異なる点となりますのでご注意ください。


①②については現在メーカーに改良や対策をもとめています。

回答が得られましたら報告したいと思います。



光学性能

"スポットダイアグラム"と"球面収差図"です。

スポットダイアグラムではフルフレーム全域で収差がよく抑えられていることが分かります。表示枠の一辺は0.1mm(100μm)であり高橋製作所のカタログ記載と同基準となっています。高い光学性能と本製品に対するメーカーの自信がうかがえます。




実写結果

直焦点像

Nikon D810A

WilliamOpticsカメラマウント48mm Fマウント用

SS60秒

ISO3200

フィルターなし

フラット、ダークなし

1枚撮り




直焦点像

上記を60枚コンポジット(総露光3600秒)

ステライメージ9にて処理



※上記画像の中心および四隅を600pxで切り出し。




今回はテスト撮影のためスケアリング調整、フラット/ダーク補正は行いませんでした。

他よりも右下に収差が確認できます。この程度は許容範囲でスケアリング調整をしっかり行えば解消されるものと思います。


また周辺部はミラーボックスによる減光、Fマウントケラレと推測される星割れがみられます。

他の対象や他のカメラでは未検証なのでなんとも言えませんがフルサイズフォーマットの一眼レフ機では少し注意が必要かもしれません。


ただフルサイズ写野周辺でも収差補正がよく効いていて中央から周辺にかけて点像を保持していることがよく分かります。センサーサイズを小さくすれば写野中央付近のスイートスポットのみ使用でき、多くの対象にも対応できそうです。


ちなみに今回どうしても名を冠したプレアデス星団(M45)でファーストライトしたかったので時期的には少し無理のある撮影になりました。地上の光害などが入り正確な検証とはいえないかもしれません。あしからず。



実写結果 ※20240512追記

干潟星雲(M8)と三烈星雲(M20)の周辺。

直焦点像

SONY α7Ⅲ

WilliamOpticsカメラマウント48mm Eマウント用

SS30秒

ISO3200

フィルターなし

フラット、ダークなし

20枚コンポジット(総露光600秒)

ステライメージ9にて処理




直焦点像

コンポジット元の1枚撮り

JPG未処理



※上記画像の中心および四隅を600pxで切り出し。




アンタレスの周辺。

直焦点像

SONY α7Ⅲ

WilliamOpticsカメラマウント48mm Eマウント用

SS30秒

ISO3200

フィルターなし

フラット、ダークなし

45枚コンポジット(総露光1350秒)

ステライメージ9にて処理



少し間が空いてしまいましたが初回"M45"時の周辺像の星割れが気になっていましたのでセカンドライトを追記します。


同様に検証のためスケアリング調整、フラット/ダーク補正は行っていません。カメラのみ変更。

今回のミラーレス機(フルサイズ)では初回の星割れ症状の改善がみられておりカメラ起因であることが濃厚となりました。周辺の収差状況がより分かりやすくなり、四隅の周辺減光はありますがフラット補正で十分対応できるレベルで優秀です。


機材検討の参考になれば幸いです。




まとめ


WilliamOpticsの新製品"Pleiades68"についてご紹介しました。

いかがでしたか?



昨年の胎内星まつりでWO社長にお会いした時に開発中であることを伺っていました。

今回の検証で実際に触れてみて"7枚玉アストログラフ""口径比F/3.8""フルフレーム対応のイメージサークル"という性能はライバル機種の多い口径帯においても他機種とは一線を画す存在で間違いないようです。驚きでした。


期待以上の完成度。

WilliamOptics"Pleiades68"は新しい選択肢になると確信しています。





詳しい仕様、性能などは商品ページもご確認ください。


商品ページ



最後までご覧いただきありがとうございます。



1 Comment


流星動画
流星動画
Feb 11, 2024

素晴らしい光学性能、たわみづらいインナーフォーカス的なピント機構、これはRedCat51から買い換えるか?

と思って値段見てビックリ!😮

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